■どのような経緯で青年会議所に入会したのか、また青年会議所の印象について教えてください
今まで弱かった地場での活動を強化するために苫小牧青年会議所に入ることは非常に重要だと、先代の社長である父に言われて入会を決めました。
しかし当時、私の会社にはOB が数名いて、何かある度に苫小牧青年会議所を理由に領収書提出することを、私は快く思っておりませんでした。
入会に対し、前向きではなく、良いイメージも持っておりませんでした。
しかし、苫小牧で経済活動をしている企業に属している以上、苫小牧青年会議所に入るべきだという声に後押しされました。
入会後に感じたのは、「何でこんなところに来てしまったのだろう」「一体ここで何をやるのだろう」という疑問ばかりで、後ろ向きの印象でした。
■青年会議所活動を通じての思い出話や苦労話について聞かせてください
一つはアカデミー塾です。
多くの方が、一度は進学や就職で苫小牧を離れた人たちが苫藤田 健次郎小牧青年会議所という看板のもとに集まった訳ですが、苫小牧に帰ってきた理由は必ずしも前向きなものとは限りませんでした。
塾生同士で、苫小牧についての話をすると「ここが駄目だ」「あそこがダメだ」という話が、とても多く聞こえてきました。
逆に、苫小牧が好きだと答えたメンバーは同期の中には全くいませんでした。
苫小牧のことが好きではないメンバーばかりが集まり、担当例会を考えていたところ、当時、苫小牧青年会議所の一つの柱であった、「“好きトマ”運動」についての例会を構築しました。
塾生同士で話している中で、苫小牧についてのダメなところはとても多くありました。そして、その一つ一つはとても納得できるものでした。
では、そのダメなところに対し自分たちが具体的に何をしたのかと言われれば、何もしていないという現状に気がつきました。
そして、自分達は苫小牧のことが好きではないと感じている中でも、苫小牧のことについて色々知っており、もっと関心をもって、何かをしなければならない立場になった時、きっと面白いことができるのではないかと、一つの気付きがありました。
関心がなければ「好きではない」という感情が湧くこともなく、苫小牧が故郷であるという事実は変えられず、苫小牧青年会議所に入会している方の大半は、おそらく苫小牧で事業をして行くことを選んだ人たちで、この地の人たちが我々のお客様であり、この街が良くならなければ、我々の事業も絶対に良くならないとの想いから、「自分たちは何ができるのか?」と、アカデミー塾の議案構築は始まりました。
同期の塾生と僕も今まで、街づくりなんて誰がやっても一緒だと思いましたし、誰がやるのかもわかっていませんでした。少なくともやるのは自分ではないと思っていました。しかし、「何かをする団体(JC)に入ったのだ」という考えで、見方が少し変わった。
「この苫小牧をもっと知ることができるだろう。」
「苫小牧のために自分たちは何かできるかもしれない。」
そして、「自分の故郷は苫小牧なのだ」と改めて認識しました。
苫小牧について話す人間がこんなに沢山いて、議論する人たちが沢山いることを発見しました。
ただ実際に何が出来るのかを考えたとき、何も浮かびませんでした。
色々な案を出すも、つながらないことばかりでした。
しかし、JC はまちづくり団体だと言って、熱く語ってくれる先輩方がいて、これが仕事なのか、これが趣味なのか、と思っていました。
なぜこの人たちはこんなに苫小牧のために熱いのか、熱源は何なのかがとても疑問でしたが、しかし、それによりもう少し真剣にやってみようと思いました。
その後、委員会の副委員長をさせて頂き、また、同年に苫小牧地区大会でもあり多忙ではあったのですが、フッと気づくと、熱く語る自分自身を発見しました。
何か大きなきっかけがあったわけではないのですが、いつの間にか熱く語る方の人になっていました。これが3つ目の気づきです。それを気付いた時には直ぐに卒業でした。
■青年会議所活動をしていく中で、藤田先輩が大切にされてきたことは何ですか。
よく無理難題を言われ、「YES かハイで答えろ」と言われました。そんな無茶はないと感じていましたが、やってみるとオファーされている理由があり、自分のためにはならないと思っていた事も、他の誰かのためのものでしかありませんでした。自分のためにやったことは想像以上の結果はでませんが、自分に関係の無い他の誰かのためにやったことは自分が想像した以上のコトが多く、そして得るモノが多かったと感じます。
理事長をさせて頂いた時も、他の誰かのために積極的に取り組むよう心掛けました。しかし、必ずしもYES かハイではなかったと今では思います。
■青年会議所とはどのような団体と感じていますか。
一般社団法人になるとき、「どのような団体か」についてとても議論されました。「人それぞれ、色々な考え方がある」私は、この団体を人間育成の場と思っています。
何をもって育成されたと思うかも人それぞれではありますが、少なくとも人づくりの団体だと思っています。
ナイトや飲み会などの懇親が全て必要かと言われると、難しいですが、やはり全てを含めて苫小牧青年会議所は、人づくりの場であり人間育成の場であると思います。