山崎 肇

 JCについて何でも書いてください、と依頼をいただいてから今日7月25日まで、実はまったく一行も書いていません。一度ならず、頭の中ではあれこれ思い起こしてみましたが、どうも人に聞かせるほどのことはないのです。自分で行動して、自ら満足していることばかりで、書いて知らせるほどのことは見当たりません。
と思っていたら、ふと思い出したのが彼の熊谷卓先輩にもご同行いただいた、図書館調査ツアーです。これは私一人でしでかしたことではないので、同行いただいた方々に、今更ながらの感謝の意を込めて書いておきたいと思います。
 あれは、私が二度目の委員長を務めさせていただいたときです。もう20年も前のことになります。市立図書館の運営に対して提言する、との企画を立てその前提として他都市の状況を調査しようということになりました。対象地は何故か道外、仙台と八戸、そして青森ついでに函館ということにしました。その選定の経緯は覚えていません。いずれにしても、この4ヵ所を最短の時間、最小の費用で訪問することにしたのです。
 行程は夜8時頃発の北斗星で仙台まで行き早朝着、市立図書館を視察、折り返して八戸で下車、ついで青森に向かいここで一泊、夫々図書館を視察、翌朝青函トンネルを経て函館で視察、午後苫小牧に帰着という、車中一泊宿で一泊、雰囲気的に一泊二日というリーズナブルな旅でした。苫小牧駅で当時の渡辺健治理事長に見送っていただき、また餞別もたくさんいただき、懐も暖かく前途洋洋、勇躍旅の途につきました。
 同行してくれたのは、先にも書いたとおり政策室長の熊谷卓さん、委員会メンバーの橘さんと赤川さんでした。そういえば、赤川さん結婚おめでとう!
 正直なところ、どこの図書館もたいしたものではありませんでした。今でも思い出すのは、青森市図書館の隣が棟方志功記念館だったことと八戸の駅が町外れだったこと、函館の図書館が古い木造で貧弱だったことくらいです。
 ただ、どこの図書館かは忘れましたが、個人が不用になった本の交換会を企画していたり、開館時間を働く人のために夜九時まで延長していたりと、事前に読みたい本を頼んでおくと貸し出し可能時に連絡をくれたりと、様々に工夫をこらしておられ、そういうことを提言書の一部に記載したことを覚えています。
 百聞は一見にしかず、と言いますが、自らの目で視ると読むのとは大きく違い、本当にたくさんの情報を得ることができることを実感しました。また青森では熊谷室長の手配で一席設けていただいたのですが、ここで私は初めて「藤壷」という黄緑色の物体を食しました。その磯臭さと鮮やかな色は忘れることができません。
 さて、委員長として面白かったことに例会運営がありました。月二回の例会はJC運動の中でも非常に大きな意味をもっており、理事会や委員会と同様、これがなきゃJCじゃない、と言っても過言ではないものです。
 特に委員会一丸となって企画運営する手作りの例会は、多少の出来不出来はご愛嬌で、なかなか味のあるものでした。勿論、練りに練られた講師例会も悪くありません。テーマと人選を突き詰め、事前打合せを密にし、当日より多くのメンバーが出席するように努力する、ということになるとこれも大変なことです。ただトレーニングとして考えると、関われる部分が少ないような気がします。好みもあるとは思いますが。
 まあ、いずれにしろ例会企画案を理事会に上程するのは良い勉強になりました。趣旨から具体的内容まで、頭の中話の中では分りきったことながら、いざ説明するとなると表現力のなさを思い知る、ということの繰り返しで、何度も室長や副理事長に添削されてようやく上程。理事会では悪意善意の質問にさらされ、審議段階で否決は珍しいものの、変更も多くあり何度も再考しては書き直したものです。
 しかし、これもそれも全ては修練です。その繰り返しから友情も生まれ、奉仕の精神も育まれたのでしょう。建前だけでは生きていけないかもしれませんが、本音だけの人生はなんとも味気ないような気もします。人生の中で最も実践的なトレーニングの必要な時期、また考え方を確立させつつあるときに、JCで経験したことは実に有益でした。
 今でも少なからず元メンバーにおつきあいいただいていますが、あの頃の運動、行動の思い出一つ一つが共通言語のような気がします。
 だらだらと書いてしまいました。最後にもう一つ。あの頃、よく議論したことに例会やその他の事業出席は義務か権利か、というのがありました。
 私は、入会資格審査で参加意思を確認され肯定的な回答をしている以上、論理的には義務であり、しかし無理強いされ不本意に参加しても意味がないことから、感情的には権利だと考えていました。
 今は、出られるならできる限り出たほうが良い、というのが経験を踏まえた上での結論です。それは参加出席は義務でも権利でもなく、いろんなことに気がついたり、能動的に視て理解する「機会=チャンス」だと思うからです。
 各種大会や青年経済人会議、環道都経済圏会議、ブロック協議会、地区協議会といろんなところに出してもらいましたが、全く無意味だと思ったことはほとんどありませんした。行くまでは億劫でも、その場に至ると様々な情報を得ることができます。時間が許し経済的に融通がつくなら、参加することをお勧めします。ですが、時間が許さず且つさほど意味も感じないなら無理することもありません。自由意志で行動すべきです。誰かに強要されていやいや参加するなんてことは愚の骨頂だと思います。
ということで、これで筆を置きます。次は卒業10年を経て未だにJCへの思いが熱い男、全道大会主管の会議では結論が出た後で「これでいいのか!!」を連発して手を焼かせた、古木匡司さんにいやでもバトンを渡します。

山崎先輩、貴重なご感想ありがとうございました。JC活動の楽しい事だけが経験なのではなく、過去を振り返れば辛い事も経験になっている事が伝わりました。JCで辛い事でもたくさん経験していこうと思います。
次回は、山崎先輩よりご紹介を頂いた古木匡司先輩です。お楽しみに!!

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